クールシニアのウェブマガジン

毎週月・金曜日発行

クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:エレクトロニクス ホビー 野遊び 

アウトドア最強のレンズ交換式カメラ

・オリンパスのミラーレスEM-1がアップデートしてmark2になりました。最強の野外撮影用カメラだと、誰もが認めるのではと思います。まず画質ですが、ほぼプロ仕様になりました。動物写真家・岩合さんの猫写真展に行きましたが、撮影は全部EM-1でした。「小さくて高性能なので、相手に威圧感を与えず、シャッターのタイミングとかが変わり、別の段階に行けます」とパンフレットにありました。

・そうはいっても35mm判フルサイズに敵わないという人がいるかもしれませんが、二つの点で問題提起です。

・まず、長い間フイルムカメラで仕事をしてきた経験から考えてみます。40年前、高精細な写真が必要な場合は大型の4×5判やブローニー判(6×6、6×7、6×9など)を使いました。

・すでにニコンFはありましたが、小さなフイルムサイズの35mm判はもっぱらモノクロの報道写真がメインでした(コダックのトライXで、増感したりしなかったり)。

・それがやがて一般のブツ撮りやファッション撮影にも使われるようになるのですが、その理由はカメラ性能(見たまま撮れる一眼レフ)とフイルムの大進化、そして小さくコンパクトな機動性にありました。これが今の大きなフルサイズ一眼レフとミラーレスの関係にダブります。フイルムが高性能化したように撮像素子や電子ビューファインダーはまだまだ進化します。

・もう一つ、これが大きいのですが、メディアの主舞台が印刷や大型ディスプレイではなく、今やWebだからです。そこでは必要以上の高精細画質はあまり意味を持ちません。スマートフォンで十分な理由がそこにあります(スマホで撮れない写真がデジタルカメラの生き残り戦略になります)。4Kや8Kを街頭大型画面で観たいというのはあるかも知れませんが、それは大きな重いカメラで撮るプロの領域です。

・ニコン、ハッセルブラッド、ライカなど、昔はプロの道具に憧れ、多少無理をしても手にしたのですが、今のプロカメラは興味の対象から外れてしまいました。言い換えるともっと超高性能でコンパクトなミラーレスが登場すれば、マニア憧れの商品になるかもしれません(高価格でも構いません、憧れですから)。

・EM-1 mark2がアウトドア最強な理由はまだあります。秒18コマ撮影、今のところNo.1の5軸シンクロ手ぶれ補正(600mm相当が手持ちで撮れます!)、業界の先端を切ったゴミ除去、定評の防塵防滴、さらに搭載プログラムでの深度合成や歪みを補正する電子アオリと、いずれも最先端にいて、プログラムのアップデートで性能が上がります(これがデジタルカメラの特色です)。

・しかしなんといっても最大の魅力は軽くてコンパクトなこと。この小さなマイクロフォーサーズという撮像素子のおかげで、とにかくレンズが小さくなります。フルサイズではどう逆立ちしても、高性能レンズ領域では小さくできません。一方撮像素子や電子ファインダー、プログラムは進化します。

・EM-1とEM-1 mark2(左)はあまり見た目はあまり違いがありません。オリンパスEM-1 mark2の欠点は唯一デザインです。一眼レフ風であり昔風であり、なんとも中途半端です。SONYの方がシンプルで好感が持てます(昔ながらのカメラファンにはSONYのロゴがどうしても家電に見えて馴染みませんが)。フラッグシップとして何とかならなかったのでしょうか。

・左から超望遠ズームの80-300mm(テレコンバーター付きなので420mm。35mm判換算、以下同)、標準ズームの24-80mm、120mmマクロ、以上3本は深度合成などのプログラムが使用可)、超広角14-28mm(Panasonic製、今ではオリンパスでもありますが)。この4本でアウトドア撮影をほぼカバー(野鳥撮影には600mm、コンバーターを付けて840mmがあります)。小さなカメラバッグにすべて収まります。

・超望遠ズーム(アダプターを付けて420mm相当)で、最近よく庭に来るシロハラを手持ちで撮影。三脚を用意していたのでは間に合いません。

・昆虫写真家の海野和男さんが愛用しているように、野山を飛び回る昆虫撮影には最適のシステムカメラです。フジバカマに来たハラナガツチバチ。使用したこの120mmマクロレンズは深度合成ができます(三脚使用で虫が動かなければですが)。ブツ撮りは前後すべてにピントがきます。

次号1月20日金曜日

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