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中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなど
ライフスタイル雑誌を創刊
著書にスマートフォンの
生活革命を書いた
「スマートメディア」デコ刊

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カテゴリ:メディア 

ホントにAI(人工知能)は人間を超えるか②

・2030年にコンピューターが人類の知能を超える‥‥というのがAI(人工知能)のテーマですが、あの将棋の天才・羽生善治がNHKスペシャル「天使か悪魔かー羽生善治 人工知能を探る」での取材をベースに書いたものが、NHK出版新書「人工知能の核心」です。

・1997年、IBMのスーパーコンピューターDeep Blueがチェスの世界チャンピオンを破ります。そして2013年日本のponanzaが将棋に勝ち、さらに2016年グーグル・ディープマインド社のアルファ碁がトップ棋士に勝利します。

・10年以上前、多くの棋士が人間が負けるはずがないと言っていた時、羽生氏は2015年頃人工知能が追い抜くと予測し、その通りになりました。ゲームのようなルールがあり、その中で戦うものはコンピューターが絶対有利です。東大入試に挑戦した東ロボくん(国立情報学研究所)が2016年11月に断念したというニュースがありましたが、今の入試基準の「記憶力と応用力」であれば可能で入学は時間の問題です。なぜ諦めたんでしょうか。

・この新書で羽生氏は面白いことを言っています。例えば、「人工知能には恐怖心がないので人間が考えない手を打ってくる」‥‥たしかに人間の判断には感情が入ります。ここはAIの次のステップです。

・「人間は一つの分野で学んだことを他の分野で応用する汎用性という能力があり、AIには難しいのでは」‥‥これは応用力という能力をAIに加えれば可能な気がします。

・また、「AIに接待ゴルフはできないのでは」‥‥ですが、これも人間の特性をディープラーニングさせれば、人間の喜ぶ「もてなし」もいけるのではないかと思います。

・つまり既に犯罪防止(アメリカのある街で警官がパトロールする場所をAIに決めさせたら犯罪が減った)やビジネス(日本のタクシー会社が流す場所をAIに選ばせたら売上が上がった)でみられるように、AIは日々進化していきます。前号で述べた特化型AIで人間に貢献し同時に産業構造も変えていくでしょう。

・では人は何をするのか、あるいはAIとの違いは何か‥‥。羽生氏はこう述べています。「創造の99%は今までに存在したものを、今までにない形に組み合わせることではないか。これはAIに得意な領域かもしれない。しかし残りの1%か0.1%かは突然変異のように全く新しいものが生まれる」。

・学ぶは真似るから始まりますが、ある時突然脳内スパーク(あるいはエラー)して新しいものが生まれる‥‥これこそ人間の領域ではと思います。

・前から、人間の思考力は1:記憶力 2:応用力 3:想像力&創造力と思っていますが、この内1と2はコンピューターが得意なあるいは可能な分野です。テレビでクイズ番組が相変わらず多いのですが、頭のいい人=記憶力に優れる人はもういい加減にやめたらどうでしょう。今やスマートフォンがすべて答えてくれます。

・コンピューターが人間の知能を超える日が来るといいますが、既に超えていることは多々あります。計算能力や記憶の総量はもはや敵いません。膨大な情報量を分析して瞬時に処理することは人の脳には不可能です。

・しかし人間の知能を超えた汎用AIが自ら学習してロボットを作り、自己増殖するなどということが本当に可能だとしたら、それは人間を創りあげた自然に並ぶことになります。

・つまり昆虫好きならよく理解していますが、自然の多様性や精緻さは驚異的です。ドローンを極小にしたとしても2mmほどの双翅目の蚊を作れないでしょう(生殖機能まで持っていて何匹か閉じ込めておくと増えるんですから)。

・人間はその驚異の自然の一部です。AIが人間を超えるということは自然を超えることになります。どう考えてもありえないと思うのですが‥‥。

次号4月24日月曜日

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