クールシニアのウェブマガジン

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スマートメディア

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなど
ライフスタイル雑誌を創刊
著書にスマートフォンの
生活革命を書いた
「スマートメディア」デコ刊

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カテゴリ:メディア 

スナイパーものというジャンルの新作と旧作

・スナイパーものという物語のジャンルがあります。今、DVDのレンタルショップと書店にそれぞれ新作が並んでいます。映画はトム・ベレンジャー主演の「山猫は眠らない5 反逆の銃痕」で、5作目なので時は流れて主人公の狙撃兵ベケットは親子で敵に対峙します。狙撃手対狙撃手のスリリングなストーリーです。1作目「山猫は眠らない」が面白かったのでついでに鑑賞しようと思ったのですがTSUTAYAにもはや置いてありませんでした。

・スナイパー小説といえば、フレデリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」(1973)というフランス大統領を狙うものが最初に話題になり、ついで狙撃もの専門のスティーヴン・ハンター著「極大射程」(1999)でジャンルとして定着した感があります。

・そのS・ハンターの新作が扶桑社文庫「スナイパーの誇り」上下。第2次世界大戦でナチ・ドイツと戦ったロシアの"白い魔女"と呼ばれる女性スナイパーの謎を、元狙撃兵のボブ・リー・スワガーが追う話ですが、アクションものでありながら、ミステリーものでもあり、読ませます。前作のケネディ暗殺事件を新解釈した作品「第三の銃弾」も良かったので、S・ハンターは好調です(その点、「アウトロー」というスナイパーもので面白かったリー・チャイルドの新作「最重要容疑者」はイマイチ)。

・ところで個人的に最も好きなスナイパー小説といえば、A.J.クイネルの「パーフェクト・キル」です。航空機の爆破で妻と娘を失った元傭兵が、復讐のために、少年を一人前の狙撃手に育てるというストーリーなのですが、スナイパーの要諦を世界一の元グルカ兵に頼んでトレーニングさせるくだりなど読ませどころがたくさんあります。

・A.Jクイネルといえば匿名作家として知られ、熱狂的ファンがいる冒険小説の雄ですが、残念ながら2005年に亡くなりました。デビュー作「燃える男」は「パーフェクト・キル」と主人公が同じ元傭兵クリーシィで、出来はこっちの方がいいかもしれません。デンゼル・ワシントン主演の映画「ボディーガード」はこれがベースです。

・ところでこの傑作ばかりのA.J.クイネルの作品は新品が手に入りません。最初新潮文庫でその後集英社文庫に代わったのですが、今や古本探しになります。出版業界は毎年売上が落ちていますが、こうやって読者を減らしています。もし印刷物で売れないというのなら、電子書籍にするべきです。

 

・ネットで探せばA.J.クイネルも手に入ります。これじゃますます書店で本が売れなくなります。前から言っているのですが、新刊から古本まで徹底的に品揃えする文庫専門書店を作るべきです。

次号1月19日月曜日

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