クールシニアのウェブマガジン

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クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:メディア 

中国は何処へ行くのか?②

・大国・中国は何処へ行こうとしているのか? 次は東大准教授・川島博之氏の新刊「習近平のデジタル文化大革命」講談社+α新書です。

・前著の「戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊」はベストセラーになりました。このせいか、中国政府のブラックリストに載ったらしく、あっちのサイトでは名前が検索できなくなり、中国に行けなくなった(入国と同時に逮捕される)と、前文で述べています。

・ということは中国共産党の触れられたくない部分に触れたということで、逆に川島教授本の信憑性が増します。

 

・デジタル文化大革命とは、国民監視、統治の一大システムのことです。中国国民はデジタルナンバーを振られ、ネット監視と世界一と言われるカメラ網ですべての挙動が把握されていると言われます(このやがて我々にも訪れる超監視社会は、犯罪が減る分自由度も減る諸刃の剣であります)

14億の民を統治する現実的な方法ですが、経済発展が続けばの話で、不動産バブルがほころび、格差が広がると、不満が政府に向かいます。そこで、その前に目を摘むシステムが起動しますが、はたしていつまで有効なのか。

・川島教授は、習近平政権が最後の共産党政権になるのではと言います。さらに、将来中国がアメリカのGDPを越し世界一になるのではという意見がありますが、人口動態をみればありえないとします。

・高齢化する中国と2040年でも若者が多くを占めかつ多様な(トランプが何を言おうとも移民大国)アメリカ、それにインドとの差は人口構成から明らか。

 

・もう一つ、経済力の原動力はイノベーション(技術革新)ですが、中国はどうか。改革開放から40年経って何も生み出しておらず(考えてみれば、火薬や羅針盤を発明した国なんですが)、そしてデジタル文化大革命はネットを遮断し、自由を制限していて、それがイノベーションのネックになるだろうというのがこの本の要旨で、説得力があります。

 

・次世代通信5Gで華為技術(ファーウェイ)採用が問題になっていますが、機器に問題があるかどうかは意味がありません。グーグルやアマゾンだって情報を集めているじゃないかというメディアもありますが、それも論点が違います。

GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)は、トランプが情報出せと言っても簡単に首をふりませんが、華為やZTEは、有事には共産党の言いなりでしょう。

・チャイナスタンダードは、グローバルスタンダードでないことが、実は中国に限らず世界の大問題といえます。

次号14日金曜日

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