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中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなど
ライフスタイル雑誌を創刊
著書にスマートフォンの
生活革命を書いた
「スマートメディア」デコ刊

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カテゴリ:ミュージック メディア 

パガニーニの超絶技巧と愛器「大砲」の物語

・ヴァイオリンとクラシック好きは注目の小説と映画が、DVDショップと書店に並んでいます。小説は「ヴァイオリン職人の探求と推理」で人気を博したポール・アダムの第2弾「ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密」創元推理文庫。

・今回も楽器をめぐるミステリーで、イタリア・クレモナの名ヴァイオリン職人のジャンニが友人の刑事と組んで殺人犯を追います。話は、ジャンニのもとにあの天才演奏家パガニーニの愛器「大砲」こと、ガルネリ・デル・ジェス(世界一のヴァイオリン製作者ストラディバリウスの弟子にして天才職人の作)が持ち込まれるところから始まります。

・恋多きパガニーニが愛人の女性から贈られたという、黄金の箱を辿る歴史ミステリーの面白さもあり、今回も読ませます。

 

・映画は「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」というDVDの新リリース。ニコロ・パガニーニはイタリア・ジェノヴァ出身で19世紀前半に活躍した天才ヴァイオリニストですが、超絶技巧という言葉はこの人のためにあるとかいわれます。

・なにしろあまりの凄さに、悪魔と取引したからだということで、亡くなったあと教会が埋葬を拒否したというのは実話らしい。こういう人物はだいたい破滅型で、金、酒、ギャンブル、女好き(あのナポレオンの妹とも浮き名を流す)で周りは大変ですが、天才だから仕方ありません。

・映画でもダブルストップ、ピチカートやらを多用するパガニーニならではの特異なテクニック、残ったG弦(一番太い4番弦)一本でメロディーを弾ききるシーンも描かれています(使用したヴァイオリンはグァルネリではなくストラデヴァリだそうです)。

・我々がピアノ曲としてよく知っているパガニーニ作曲のヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章ラ・カンパネッラも挿入されています(リストのラ・カンパネラの原曲、フジコ・ヘミングのアレです)。

・主役はドイツ人ヴァイオリニストのデイヴィッド・ギャレットで、エピソードも見事に演じ、演奏しています。

・映画の原題「THE DEVIL'S VIOLINIST悪魔のヴァイオリニスト」、邦題「愛と狂気のヴァイオリニスト」と煽るほど、クレイジーなパガニーニが描かれてはおらず、伝記映画より音楽映画として楽しんだ方がいいです。

http://paganini-movie.com

・パガニーニがイル・カノーネ(大砲)と名付けて愛用したグァルネリ・デル・ジェスは、他を圧倒する音量で知られ、数がストラデヴァリより少ないので希少なヴァイオリンとして有名です。今もジェノヴァ市に保管され、2年に一度開かれるパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールの優勝者に副賞として演奏が許可されるといわれます。このあたりの蘊蓄は小説に詳しいです。読んでから映画を観るのがお勧めです。

次号2月13日金曜日

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