クールシニアのウェブマガジン

毎週月・金曜日発行

クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:季節 野遊び 

新緑の渓でイワナ釣り

・山に藤の花が垂れ下がると、毛鉤釣りのベストシーズンの到来です。新緑の丹沢札掛の毛鉤釣り場に出かけました。フライフィッシングを始めて40年以上経ちますが、このところなぜか始めた頃の釣りスタイルに戻りつつあります。例の「鮒釣りに始まり鮒釣りに終わる」というあれでしょうか。

・最初の頃(フライフィッシング黎明期)、川釣りの竿は8フィートの長さ、ライン(釣り糸)の太さは6番とものの本に書いてありましたが、それは西洋の翻訳で日本では違うよね、と友人の作家・田淵義雄(フライフィッシングの入門書を最初に出版しました)さんと言ってたのを覚えています。

・7フィート4番の竿で狭い日本の渓流を釣り歩いたものです。それから長くなったり短くなったり、糸も太くなったり細くなったりしたのですが(流行があるんです、川や魚は変わらないのに)、最近は7フィート前後、ラインも3番か4番しか使わなくなりました。

・さらに当初は小さなショルダーバッグに長靴という格好でした。川の中に入って釣らなくても良かったんです。いつの間にか、持つ毛鉤の種類やらなにやら道具が増えてベストを着るようになります。

・でも今年は、小さなショルダーと紐にぶら下げた最低限の釣り道具(ラニヤードといいます)にしました。おかげで身軽になり軽快です。思い起こせばもともとこうだったんです。

・そんな昔に戻ったスタイルで渓を歩いたのですが、魚の出はどういうわけか渋く苦労しました。前の日の雨のせいでしょうか。水中ハウジングで撮った淵の画像には、たくさんヤマメ、イワナが泳いでいるのですが、なぜ釣れないのかよくわかりません、40年釣りをしていても。

・都心から2時間弱、自然の渓流を釣り登って毛鉤釣りが楽しめる管理釣り場は、この丹沢ホーム札掛渓流釣り場と養沢毛鉤専用釣り場(58周年だそうです)の二カ所あります。イギリス、フランス、ドイツで都会から近い管理釣り場に行きましたが、どこもポンド(池)でした。日本は街の近くに川や渓流たくさん流れていて、素晴らしい国です。

http://www.tanzawa-home.com/

http://yozawa.main.jp/

・山里に藤や桐、谷に針槐(ニセアカシア)の花が咲く頃が一番美しい日本の渓流。

・イワナをかけた7フィートの釣竿。あれやこれや外国製のグラス、カーボン、竹竿を使いましたが、このところずっと日本の釣竿職人のロッドを使っています。半世紀を経て日本の釣竿は成熟しました。今年は盛岡の宇田 清さんが作る7フィート6本継ぎ旅用カーボンロッドです。

・LANYARDラニヤードは、船乗りが紐にナイフや笛をぶら下げたもののことですが(ランヤードと表記することがありますが、発音からいえばラニヤードが正しい)、小道具の多いフライフィッシングで使う人が増えています。ベストより断然軽いです。真ん中の黒い箱は常用する毛鉤入れで、つまりラニヤードだけで釣りができます。

・水中ハウジング・アクアパックSLRカメラケース#458。一眼レフ用で15750円(税込)。中身はニコンD5000。

・水中ハウジングで覗いた淵の風景。魚はたくさんいるのがわかります。上からニジマス、ニジマス、ヤマメ、イワナ。ふつう、管理釣り場はニジマス中心なのですが、札掛はヤマメとイワナが多いです。

・持ち帰った魚は、一晩塩につけてからスモーカーで燻製に。新緑の風景を愛で、釣りをし、燻製を味わうと季節を3回楽しめます。

次号5月27日月曜日

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